第69巻第2号
電力用変圧器の分解輸送・現地作業品質管理基準

  • 概要
  • 近年,山間部や都心部に設置される大容量変圧器は,輸送制約や周辺の環境変化から輸送質量を軽減するため,分割して輸送する変圧器の適用が増えている。これまでの工場および輸送・現地における作業基準は一体輸送変圧器が対象とされ,工場試験実施後に解体して輸送し,現地で再組立を行うような分解輸送変圧器,特別三相変圧器については統一された現地作業基準は存在せず,各種規定に準拠した,製造者独自の作業基準で管理されている。
  • また,高経年変圧器の延命化に対する要求の高まりから,現地でのオーバーホールを実施する使用者も増えている中,分解輸送変圧器,特別三相変圧器の作業と同様に,作業管理基準は実績に基づく製造者独自の管理が行われている。このような現地作業を伴う変圧器の適用が今後も増える可能性があることから,分解輸送変圧器,特別三相変圧器やオーバーホールに関する現地作業基準を明確にすることで,品質の維持・向上および,現地作業の効率化を図るとともに,現地試験の合理化についても取り組む必要が生じてきた。
  • そこで,本研究では,油入変圧器を対象に輸送に関する環境変化に応じた形態別の特徴を調査し,輸送に関する環境変化を背景に,分解輸送変圧器,特別三相変圧器の品質確保に関する技術変遷と適用の経緯を調査した。そのうえで分解輸送変圧器,特別三相変圧器,オーバーホールについて,品質管理の実態を把握したうえで,統一した現地作業基準を規定した。さらに分解輸送変圧器,特別三相変圧器の現地試験合理化のために最低限厳守すべき管理項目と品質管理基準を規定することにより,現地試験合理化の提言を行った。
  • 今回の研究結果により,変圧器の形態別に現地作業基準が明確となり,今後も品質の維持・向上が図れるとともに作業の効率化と,現地試験合理化の促進を図ることができる。
  • 本報告書は,変圧器の現地施工品質の確保に携わる実務者の疑問に応えられるよう,製造者,使用者が一体となって詳細な実態調査に加え,現地作業基準,現地試験合理化の策定における背景や,根拠の明確化に取り組み,内容の充実を図った。

発刊:平成25年

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