電力用通信網管理システムの設計技術 概要 電力各社では、電力の安定供給のため、電力系統の状態把握、電力設備の監視制御および給電連絡用として電力用通信網を構築している。近年、電力用通信網は、電力系統の拡大、電力系統運用の高度化などにより大規模なものになっており、さらには従来の専用線網に加えIP網の導入によって複雑な網になっている。これに伴い、電力用通信網管理システム(以下、「NMS」という。)は、大規模、複雑な電力用通信網を効率的に運用・管理するため、多種多様な機能を有している。 本報告書では、このような状況を踏まえ、今後、電力各社がNMSの更新、改造を行う際の効率的な設計に資することを目的として検討を行い、以下のようにとりまとめた。 はじめに、第2章では、電力各社のNMSの現状を分析し、検討すべき課題をとりまとめた。第3章では、課題解決に適用可能なIP網の構成・管理技術およびシステム構築技術などの技術動向を調査してとりまとめた。また、通信網管理に関する他業種動向、国際的な標準化動向および周辺動向などの調査結果をとりまとめた。さらに、第4章では、これらの調査結果をもとに、今後、電力各社がNMSの更新、改造時に効率的な設計を行うために考慮すべき事項をとりまとめた。最後に、第5章では、NMSの将来展望と今後注目していくべき技術をとりまとめた。