電力設備管理システムの導入状況と保全高度化への展望 概要 開催要旨 我が国では、至近の電力設備の管理課題のひとつに、設備保全をより高度化していく必要性をあげることができます。例えば、経済の高度成長期には大量の電力設備が建設されましたが、これらの設備に引き続き電力の安定供給の重要基盤としての役割を担ってもらうためには、これらをより適切に維持・管理、ひいては更新していくことが重要です。 一方、現在、電力会社においては、各業務実行のための支援ツールとしてのシステムに加え、各々の設備諸元から設備の点検結果など膨大なデータベースを管理する、いわゆる設備管理(保全支援)システムを保有しています。 これらのシステムについては、点検・補修計画の策定など設備保全のツールとして活用される一方、昨今の情報処理技術や通信インフラなど関連技術の発展とも相まって、情報の取り込みや解析などへの効率化支援、さらには先に述べたより適切な設備維持・管理、更新の実現へ向け一層の機能向上、実務への展開・活用が期待されているところです。 そこで、今回の研究討論会は、主として電力流通設備を対象として ①現状の電力会社・他業界の設備管理システムの導入状況の紹介、②今後のシステム開発と関連技術の活用などによる将来の設備保全の方向性の提示、③関係者における全体的な討論を通じて今後の課題・将来像について展望することにより、この問題に関しての関係者におけるより深く、かつ幅広い問題意識の共有化を図ることに資したいと考えて実施したものです。