刊行物のご案内

第76巻 第2号
架空送電設備の劣化対応技術
全文を見る
概 要
 架空送電設備は,1950 年代半ば以降の経済発展に伴い,急速にその設備量を増大
させてきた。しかし、現在では高度経済成長期から50 年以上が経ち,当時建設され
た設備は徐々に高経年化が進んでいるため,経年による設備の劣化現象が顕在化しつ
つある。架空送電設備に限らず,日本のインフラ設備は建設する時代から維持管理す
る時代を迎え、より効率的かつ効果的な劣化対応技術が求められている。
 本報告書は、現在架空送電設備で顕在化している「劣化・異常事象」を概観すると
ともに、これらを発見し設備状態を見極める「点検・診断」および修繕・維持する「
補修・長寿命化」(以下、これらの技術を総称して「劣化対応技術」という)につい
て、全国で活用されている技術とその技術の課題を調査した。また、海外の劣化対応
技術についてCIGRE(国際大電力システム会議)パリ大会の文献を調査し、参考とな
る技術について取りまとめた。
 近年、国内の電力会社はさらなる業務効率化・コストダウン・収支向上が求められ
ている。そのため,昨今のデジタルイノベーションによって産み出されつつある新技
術や通信技術を活用することや、より効果的な設備投資判断が求められている。これ
らの新技術や設備運用の導入を見据え、今後の劣化対応技術に関する技術開発の方向
性について考察した。

【主な記載内容】
 第1章「総説」では,委員会の設立の経緯および研究の経過と概要を示すとともに,
本研究の成果について要点を取りまとめている。
  第2章「既設送電線の現状」では,劣化対応技術を調査するにあたり,現状の設備
実態と顕在化している劣化・異常事象を把握することが重要であるため,過去の文献
にて調査された設備量と現在の設備量を比較し,設備更新の変遷および高経年化状況
を解説している。また,昨今の電力需給状況を踏まえ,今後架空送電設備の劣化対応
技術に求められる課題を考察している。
 第3章「劣化・異常事象」では,顕在化している架空送電設備の劣化・異常事象につ
いて,事象別に発生メカニズムなどを写真や図を用いて解説している。調査対象とした
架空送電設備は,基礎,鉄塔,鋼板組立柱(パンザーマスト),鉄筋コンクリート柱,
がいし,架線金具,電線・地線,そのほか付属品(電線付属品,着氷雪対策品,避雷装
置)である。架空送電設備の付属品は様々なものが存在するが,電力安定供給・公衆保
安の観点から,重要な設備かつ全国大で一般的に使用されている設備を対象とした。
 第4章「点検・診断・劣化予測技術」では,各電力会社が現在使用している点検・
診断・劣化予測技術ならびに開発中の新技術について,それらの概要を解説している。
特に,一般的な劣化・異常事象に対しては,保全対応業務の流れも含めて解説してい
る。さらに,今後の技術開発の方向性について考察している。
 第5章「補修・長寿命化技術」では,各電力会社が設備の劣化対応として使用して
いる補修・長寿命化技術ならびに開発中の新技術について,それらの概要を解説して
いる。さらに,今後の技術開発の方向性を考察している。
 第6章「海外の劣化対応技術」では,海外の主要国における電力事業や架空送電設備
の概要を紹介するとともに,架空送電設備の劣化対応技術に関するCIGRE(Conference
International des Grands Réseaux Électriques:国際大電力システム会議)パリ大会
での発表論文(2004年~2018年)や技術報告書について,国内でも参考となる技術を抽
出して記載している。
  第7章「今後の技術開発の展望」では,中長期的な将来を見据え,経済的で効果的な
設備保全だけでなく,さらなる効率化やコストダウン・設備運用の最適化の実現に向け
て,劣化対応に求められる技術開発の方向性を考察している。
                                  以 上
発刊:令和2年7月30日


テキスト価格 会員(CD付)4,180円 非会員(CD付)8,360円
会員(CD無)3,300円 非会員(CD無)6,600円
発刊:令和2年

これ以上、購入を検討する刊行物がない場合は、こちらまたは、
画面上部の[刊行物の購入申込]ボタンより、申込みを行ってください。

在庫あり

報告書の利用範囲について
当研究会で取得した書籍やコンテンツの一部または全部を無断で複写、複製・翻訳及び磁気または光記録媒体への入力等は、法律で認められた場合を除き、著作権者の権利侵害になりますので、これらの必要がある場合は、予め当研究会へご照会ください。
また、取得した電子版(PDF)のコンテンツは個人向けのサービスであり、サーバーあるいは個人の記録装置に置き、複数で共有する等の利用を禁じます。