令和2年12月14日に収録し、令和3年2月1日から2月26日まで録画配信しました研究討論会の内容を取りまとめたものです。
電力をはじめとするインフラ業界では、大量の高経年設備の維持・更新のための人材不足や技術継承が進まないといった問題が顕在化しており、今後、この傾向はますます顕著になっていくと予想されます。一方、脱炭素社会を目指した再生可能エネルギーの導入拡大、電力システム改革、Society5.0、DX、アフターコロナ等、電力グリッドを取り巻く事業環境は大きく変化しています。
このような事業環境の中で、長期的に安定した電力設備を維持運用していくためには、既存の知見と新たな価値創造を両立させながら課題解決に取り組むことに加え、長期のシステムビジョンを描き実現していける人材の育成が必要不可欠となっています。また、こうした課題は各産業界でも同様であり、豊富な知恵と様々な工夫による効果的な打ち手には、業界を横断して共有化できるものが数多く存在している可能性があります。
そこで、次世代を担う技術者の育成における諸課題と今後のアプローチに焦点をあて、各業界で顕在化する問題の実態、人材要件や人材確保策、育成や技術継承への施策を短期的のみならず中長期的な視点からも紹介し、「効果的な打ち手」の知恵を共有するとともに、電気事業における次世代技術者の効果的な育成について、新しいテクノロジーの展開とも絡めて今後のアプローチについて意見交換を行いました。