要旨
水力発電所主要機器の購入仕様については,昭和54年に発刊された電気協同研究(以下,電協研という)第35巻第6号「水力発電所主要機器購入仕様書作成上の指針」に端を発する。その後,平成10年に電協研第54巻第1号「水力発電所主要機器購入仕様標準」として改訂され,これまで水力発電所主要機器の購入仕様書作成時に広く利用されている。
前改訂から24年が経過する間,新規の大型水力発電所の開発件数は減り,中小水力発電所の開発や既設発電所の改修が主流となっている。新技術が導入され,関係する電協研報告書や規格類も改訂されている。
本購入仕様標準では,近年の購入実績や今後の水力発電所主要機器購入の動向を踏まえ,仕様の合理化および簡素化の趣旨に沿って改訂した。適用範囲を概ね1MWから50MWの一般水力発電所の中小水力機器とし,これまでの仕様標準にはなかったカプラン水車・ペルトン水車を対象に加えて「水力発電所主要機器購入仕様標準(改訂版)」としてまとめた。
水力発電分野に関わる方々に広く活用していただき,発注者の購入仕様書作成業務の効率化,コストダウンの実現および技術継承の一助とするとともに,購入仕様を統一することにより,機器の信頼性確保と製造者の効率的な見積書等作成に役立つものになればと切に願うものである。