配電設備は配電用変電所から需要家まで膨大な設備を面的に保有している。配電設備の自然災害対策は,耐風設計や補強対策などの設備に影響する外力に対して物理的に強くする対策と同時に,ある程度の設備被害が発生することを前提として復旧を早くするという視点が重視されている。
近年多発している台風等の集中豪雨や地震・噴火などの自然災害に対応するため,復旧対応における電力会社間連携の強化,復旧作業進捗の迅速な公開,多様化する自然災害に備えた資機材・工法の検討など,災害対応の高度化が求められている。
これらの背景を踏まえ、本研究では、2024年1月1日に発生した能登半島地震を含め、過去の自然災害の対応状況と課題を整理し、従前の復旧対応や情報発信ツールに加え、ドローンやAIの活用,障害物除去・樹木伐採ができる車両の導入,ドローンを活用した資機材運搬について実証実験を行った。これにより、より迅速な災害情報の把握や復旧作業が可能となることがわかった。また、日々進化するドローンやAIのデジタル技術を用いることで、配電設備における復旧対応のさらなる高度化の方向性を明確にした。
具体的には,本報告書は5つの章により構成されており,自然災害時の配電設備における復旧対応の高度化について記載している。
第1章では,本調査委員会の目的と調査概要をまとめた。
第2章では,過去の自然災害における配電設備の被害や復旧対応について調査し,災害復旧時の一般送配電事業者の役割・使命・課題について整理した。
第3章では,第2章で整理した課題に対する解決策について,電力レジリエンスWGや災害時連携計画の策定を踏まえた対応を整理した。
第4章では,災害復旧対応の更なる高度化の必要性について,発災直後の迅速な情報の収集・公開,迅速・効率的な応急復旧に資する車両・資機材等の改良・開発について検討した。
第5章では,今後更なる激甚化する自然災害において,日進月歩で進歩していくデジタル技術等を取り入れて,効率的・迅速・的確な復旧対応の方向性について整理した上で,今後の展望を記載した。
発刊予定:10月
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