第61巻第3号
密閉形変電設備劣化保全技術高度化

  • 概要
  • 今後の電力需要の低成長・電力自由化の時代においては、設備投資を抑制するため既存の設備を限界まで使用することが要求され、高経年の変電設備が増加することが予想される。
  • このため、変電設備の状態を的確に把握し、効率的な点検・手入れ、部品交換、取替・修理 を行うことが、より安価で安定した電力供給につながると考えられる。
  • 本報告書では、開発コンセプトの一つとしてメンテナンスフリーを指向していた密閉形変電機器において、開発当初の知見、検証試験では予期できなかった経年・多数回動作による事故・障害が顕在化し始めている点を考慮し、密閉形変電機器(変圧器、負荷時タップ切換器、分路リアクトル、電力用コンデンサ、油絶縁開閉装置、ガス遮断器、ガス絶縁開閉装置、固体絶縁開閉器)に対する保全方策を取りまとめた。
  • 研究として、まず初めに使用者10社に設備量実態や事故・障害実態、保守実態に関するアンケート調査を行うとともに、製造者9社に開発コンセプト、推奨する保全、製造者が把握している劣化事象などについてアンケート調査を行った(2002年実施)。
  • また、各機器の構造や製造管理および規格の変遷に関する調査を実施し、劣化保全技術高度化の検討を行うため基礎データを取りまとめた。
  • 次に、アンケート調査により得られた事故・障害実態(約3,000件)から、主に経年や多数回動作に起因する56件の具体的な劣化事象を抽出し、製造者または使用者が有していた知見を加味して、劣化メカニズム、定量的な劣化進展傾向、外部診断技術を検討することで、各劣化事象に対する保全指標を取りまとめた。また、油入ブッシングやGCB油圧操作装置の作動油の劣化事象については、モデル試験およびフィールドサンプリング調査を実地することで、新たな知見を得ることができた。
  • さらに、同様の劣化が想定される機器において発生する可能性についての検討も行った。
  • これらを踏まえ、2006年2月に、保全の高度化のほか、事故・障害の再発防止の高度化、効率的な設備更新計画の策定、機器別・形式別の劣化傾向の明確化、技術継承支援のための資料として活用できるように本研究成果を取りまとめた。

発刊:平成17年

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