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第76巻 第3号
電力用光通信ネットワークの実態と動向
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概  要
 各電力会社は,信頼度の高い専用線で構成された通信ネットワークを保有している。マイクロ波無線,光ケーブル,メタルケーブルといったさまざまな通信媒体で構成され,電力系統監視回線や,系統保護回線,給電用電話回線などの情報を伝送しており,総称して電力保安通信ネットワークと呼んでいる。
 電気事業における光通信は1978年に導入されると,各電力会社において光通信ネットワークを形成し(以降,電力用光通信ネットワークという),現在に至る。導入当初の光通信技術が技術進展しながら今もなお使用されている一方で,一般市場に普及したIP通信技術も電力保安通信に使用されるようになった。電力保安通信のIP通信対応が進むに従い,各電力会社に光伝送路を使用したIPネットワークが形成され,電力用光通信ネットワークの一部を構成するようになった(以降,従来の光通信技術を使用した電力用光通信ネットワークをレガシーネットワークという)。
しかし,一般市場では爆発的な伸びを見せるIP通信トラフィックに対し,電力保安通信ネットワークに流れるIP通信トラフィックは顕著な伸びが見られていない。また,系統保護回線の中にはIPネットワークでは伝送できないものがあるため,現在の電力用光通信ネットワークは,レガシーネットワークとIPネットワークが混在して形成されている。
 2020年4月に実施された電力システム改革(発送電分離)に伴い,ますますコスト削減要求が高まる中,「電気」が国民生活および社会経済活動を支える重要インフラの一つである責任を果たしていくために,電力用光通信ネットワークも新しい価値を生み出せるネットワークに変わっていかなければならない。
 このような状況をふまえ,各電力会社の電力用光通信ネットワークの設備構成実態,故障実績や技術動向などについて調査・分析を行い,伝送機器や光ケーブルといった構成要素の最新の信頼度を評価するとともに,将来の電力用光通信ネットワークが全面的にIPネットワークに移行することを見据え,技術的な課題について方向性を整理し,提言を行った。

テキスト価格 会員(CD付)3,850円 非会員(CD付)7,700円
会員(CD無)2,970円 非会員(CD無)5,940円
発刊:令和2年

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